一言で表すと、「体内時計を考慮に入れた栄養学」のことです。体内時計を扱う生物学を時間生物学(Chronobiology)と呼び、栄養学(Nutrition)とオーバーラップする部分が「時間栄養学(Chrono-nutrition)」にあたります。基本的には、栄養効果が時刻によって変化するといった内容や、栄養素や食品成分によって体内時計が変化するといった内容を取り扱います。ここ数年で急速に発展している新しい学問分野であり、日々、新しい知見が蓄積されています。
朝食による体内時計のリセット
食事は、末梢組織に存在する体内時計(※体内時計は、ほぼ全身の細胞に存在しています)の時刻決定因子として働いており、多くの身体機能は、食事をいつ食べたのかを目安にして活動期と休息期を決定しています。特に、朝食の摂取時刻が重要で、それを活動期の開始時刻であると認識します。朝食を抜くと、学習や運動能力のパフォーマンスが低下したり、やる気も低いという知見が報告されています。朝食による末梢時計のリセットには、タンパク質(アミノ酸)と炭水化物(糖分)の両者が必要であることが明らかにされており、バランスの良い朝食を規則正しく摂取することが望ましいと考えられます。また、朝食の摂取頻度が少ない人ほど肥満になりやすい傾向にあることが報告されています。
朝食をとるタイミング:起きてから「すぐ」が理想です。遅くとも「2時間以内」。
昼食をとるタイミング:朝食をとってから5時間、8時に朝食をとっていれば、13時が理想です。
夕食をとるタイミング:朝食から10時間、遅くとも12時間以内が理想です。夜遅くなるほど、内臓の消化や吸収能力は落ちるため、非効率なうえ、内臓への負担も大きいことを覚えておきましょう!!。
朝食例:豆乳、玄米シリアル、ゴマ黒糖、ミックスナッツ(時間がない方へおすすめメニューです)
2022-2023年